RRP研究会とは
RRP研究会とは
DV被害者を精神的に支援し,また,加害者についての調査研究・更生教育も同時に行うことによって,被害者を救済すると同時に,DVを少しでも減らすことに貢献したいと考え,我々は,平成16年に任意団体としてDVに関する研究会を立ち上げました。研究会は内閣府の委嘱事業として東京都が平成16年度に施行した「DV加害者更正プログラム」の開発・実践に関わった精神科医,臨床心理士を中心として構成されています。平成19年12月には東京都によって特定非営利活動法人(NPO法人)の認証を受けました。
RRPの名前の由来は,カナダ ブリティッシュ・コロンビア州のプログラムの名称であるRespectful Relationship Program(尊重しあえる関係のためのプログラム)の頭文字から取ったものです。東京都のプログラムは終了しましたが、その後、平成17年度からは、当研究会主催として、DV教育プログラムの継続・改善を進めています。また,DV被害者と子どもを支援するためのプログラム,DV加害者に対する認知行動療法などをテーマとした数々のワークショップも開催しており,専門家の育成に力を入れています。
DVや性犯罪被害など、被害者を対象とする公的機関,児童相談所,カウンセリング機関,シェルター,精神科医療機関,大学,研究所等と横断的にネットワークを形成し,暴力によって傷ついた女性,子どもを早期に確実にケアすることによって,様々な心身の障害,犯罪等を予防する団体として機能していきたいと考えます。
RRP研究会の事業紹介
DVと虐待の包括的支援
- DV被害者支援事業:DV被害者である母親とその子どものためのプログラムの開催
- DV加害者更正プログラム実施事業:DV加害者に対する教育プログラム
- DV加害者に関する調査・研究事業:上記プログラム実施の結果をもとにした研究会の開催
性犯罪の被害者と家族のための支援
理事・監事
- 代表理事
- 信田さよ子(RRP研究会代表 原宿カウンセリングセンター 顧問・公認心理師・臨床心理士)
- 理事
- 春原由紀(武蔵野大学 名誉教授・公認心理師・臨床心理士)
- 理事
- 妹尾栄一(埼玉県済生会鴻巣病院・精神科医)
- 理事
- 高野嘉之(The Psychology department at University of Prince Edward Island Assistant Professor)
- 理事
- 高橋郁絵(原宿カウンセリングセンター・公認心理師・臨床心理士)
- 理事
- 田村伴子(一般社団法人WERC)
- 理事
- 納米恵美子(公益財団法人 横浜市男女共同参画推進協会)
- 監事
- 森田展彰(筑波大学大学院 准教授・精神科医)
理事・監事 業績
※ 本研究会の事業に関する論文のみ,メンバーの業績より抜粋して掲載しております。
信田さよ子
- 学会発表
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- 信田さよ子DV加害者更生プログラムの実際, 国連アジア極東犯罪防止研修所, 2005.5.24
- 信田さよ子日本におけるDV加害者更生プログラムの試行的実施, 日本集団精神療法学会, 2005.6.18
- 信田さよ子、高橋郁絵「DV加害者更生プログラム」の試行的取り組みについて, 日本心理臨床学会第24回大会, 2005.9.7
- 信田さよ子、高橋郁絵「DV加害者更生プログラム」の現状と課題、日本心理臨床学会第25回大会, 2006.9.16
- 論文
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- 信田さよ子「加害者臨床の可能性-『司法と医療』『犯罪と疾病』『更正と治癒』の狭間で-」精神看護Vol.9 No.3、医学書院
- 信田さよ子「日本におけるDV加害者更正プログラムの試行的実施について」日本臨床心理士会雑誌、第43号(第13巻3号)、日本臨床心理士会
- 高橋郁絵、妹尾栄一、森田展彰、信田さよ子DVの加害者と加害者更生プログラム(Batterers Intervention Program), 治療, 87(12), 3245-3250, 2005
- 著書
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- 信田さよ子DVと虐待ー『家族の暴力』に援助者ができること,医学書院,2002年
- シンポジウム
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- 信田さよ子、JUST、中村 正、味沢道明DV加害者プログラムについて,「第一回加害者男性プログラムの連絡協議会」, 主催家族再生センター, 2005.10.9
- 信田さよ子、平川和子、坂上 香、JUST「暴力―この10年を振り返る」, 日本嗜癖行動学会シンポジウム, 2005.10.22
- 信田さよ子「家族内暴力をめぐって」, 札幌学院大学臨床心理センターシンポジウム, 2006.1.17
- 信田さよ子アディクションアプローチその後(家族の暴力をめぐって), 日本アルコール関連問題学会, 2006.6.23
春原由紀
- 論文
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- 春原由紀DVの母子関係への影響と支援の必要性について 武蔵野大学心理臨床センター紀要第16号 2016
- 春原由紀心理劇 臨床心理学第17巻第4号 金剛出版 2017.7
- 著書
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- 吉川晴美・畑中徳子・春原由紀ほか新訂人間関係―かかわりあい・育ちあい― 不昧堂出版 2010
- 春原由紀子ども虐待としてのDV-母親と子どもへの心理臨床的援助のために―星和書店 2011.12
- 春原由紀プレイセラピーと関係論―子ども相談の基礎― 「関係<臨床・教育>―気づく・学ぶ・活かす―」日本関係学会編 不昧堂出版 2011.12
- 春原由紀臨床 キーワード心理学シリーズ6 新曜社 2016.2
- シンポジウム
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- 春原由紀日本関係学会第38回大会シンポジウム テーマ「心理劇の活用と効果」 心理劇と私 2016 関係学研究第42巻第1号
- 春原由紀日本心理劇学会第22回大会シンポジウム テーマ「即興から創造へ」-今・ここで・新しくなるとは― 役割を取ってふるまうこと 2017
- 他
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- 春原由紀「心理劇―対人関係の変革」を再読して 心理劇第21巻第1号 2016.12
高橋郁絵
- 学会発表
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- 高橋郁絵、信田さよ子「DV加害者更生プログラム」の試行的取り組みについて, 日本心理臨床学会第24回大会, 2005.9.6
- 高橋郁絵、信田さよ子「DV加害者更生プログラム」の現状と課題, 日本心理臨床学会第25回大会, 2005.9.9
- 論文
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- 高橋郁絵『DV加害者プログラムの実践』、「対人関係における暴力-その理解と回復における手立て」藤岡淳子編、岩崎学術出版、2008.
- 高橋郁絵『DV加害者プログラムの実践―加害者臨床と被害者支援の接点として― 』 現代のエスプリ「特集・加害者臨床」廣井亮一編、2008.
- 高橋郁絵、妹尾栄一、森田展彰、信田さよ子DVの加害者と加害者更生プログラム(Batterers Intervention Program), 治療, 87(12), 3245-3250, 2005
森田展彰
- 学会・シンポジウム
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- 森田展彰被害者支援に生かす加害者の臨床から得られた視点-子ども虐待加害者を中心に-,日本トラウマティックストレス学会シンポジウム,2007.3.6
- 森田展彰、徳山美知代、丹羽健太郎、三鈷泰代、数井みゆき児童養護施設における未就学児童とケアワーカーのアタッチメントを促進するプログラムの開発と有効性の検討,日本子ども虐待防止学会第12回学術集会,2006.12.8
- 森田展彰、高橋郁絵、信田さよ子、妹尾栄一、白石弘巳、野本律子ドメスティックバイオレンス加害者更正プログラムの有効性と課題-責任の自覚、被害者の安全、関係性の変容の観点から-、第2回司法精神医学会,2006.5.27.
- 森田展彰「DV加害者更生プログラム」の現状と課題、日本心理臨床学会第25回大会, 2006.9.16生活臨床の発展およびこれからの日本での展開を概観する:児童福祉施設における集団心理療法の試み,第3回NAPSAC研修会,2005.9.2.
- 森田展彰被虐待児と親へのケアとアタッチメント, 発達心理学会, 2005.3.28.
- 論文
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- Nobuaki Morita, Ichiro WadaJob stress and mental health of child-counseling office workers, Journal of Occupational Health, 49(2), 125-133, 2007.
- 森田展彰、鈴木志帆児童自立支援施設入所児童に対するDisorder of Extreme Stress not OtherwiseSpecified(DESNOS)評価の試み,臨床精神医学,36(9),1191-1201,2007.
- 森田展彰ドメスティックバイオレンス加害者プログラム,精神療法,33(2), 58-60, 2007(2).
- 鈴木志帆、森田展彰、白川美也子、中島聡美、菊池安希子、中谷陽二SIDES(Structured Interview for Disorders of Extreme Stress)日本語版の標準化,精神神経学雑誌109(1), 9-29, 2007.(1)
- 森田展彰非行・犯罪をトラウマの観点から考える,非行問題,No.213, 93-103, 2007(4).
- 井口藤子、藤本希映、橋爪きょう子、森田展彰、佐藤親次、有園博子、簑下成子母子生活支援施設におけるDV被害者への心理療法Ⅰ-母親への援助を中心に-(抄録), 茨城県臨床医学雑誌, 41, 40, 2005.
- 杉本希映、森田展彰、井口藤子母子生活支援施設におけるDV被害者への心理療法II-子どもへの援助を中心に-(抄録), 茨城県臨床医学雑誌, 41, 40, 2005.
- 森田展彰、信田さよ子DV被害者という視点からアルコール依存症の家族援助を問い直す, 日本アルコール・薬物医学会雑誌, 40(2), 105-118, 2005.
- 森田展彰被虐待体験によるトラウマ反応の観点から見た犯罪・非行とそれに対する治療的な介入, 犯罪学雑誌, 71(3), 80-86, 2005.
- 著書
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- 森田展彰児童福祉ケアの子どもが持つアタッチメントの問題に対する援助,アタッチメントと臨床問題(数井みゆき,遠藤利彦編),ミネルヴァ書房,京都,pp186-203,2007.
- 森田展彰司法精神医学(全6巻)3犯罪と犯罪者の精神医学,第6章家族と犯罪,「児童虐待」6巻専門編集:山上皓, 中山書店, PP306-323, 2006(1).
- 森田展彰精神科臨床ニューアプローチ7 児童期精神障害,「児童虐待の現状と介入・援助」, メジカルビュー社, PP124-133, 2005(10)
- 森田展彰児童養護施設における思春期の子供に対するグループセッション・プログラム,「子ども・家庭への支援・治療をするために」(児童虐待防止対策支援治療研究会編), 日本児童福祉協会, PP129-138, 2004(6).
- 研究報告書
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- 森田展彰、徳山美知代、鈴木志帆、白川美也子、丹羽健太郎、松葉大直、数井みゆき子どものトラウマ研究 虐待による長期トラウマの影響に関する評価と介入・治療,平成16-18年度厚生労働科学研究費補助金こころの健康科学研究事業,「重症ストレス障害の精神的影響並びに急性期の治療介入に関する追跡研究」総合研究報告書,89-133, 2007.
- 数井みゆき、森田展彰、中島聡美、松村多恵美、佐藤みよ子、遠藤利彦心的外傷経験が行動と情動に与える影響について:乳児院群と家庭群の比較,平成14年度~平成16年度科学研究費補助金(基盤(C)(1))研究成果報告書, 2005.
妹尾栄一
- 学会発表
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- 妹尾栄一ドメスティック・バイオレンス: 加害者更正の視点から. 日本心理臨床学会第24回大会, 2005.9.8
- 論文
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- 妹尾栄一企画特集・精神保健福祉における暴力の問題.家庭内の暴力と精神保健福祉職の役割-司法制度との連携体制と視野に入れて-, 病院・地域精神医学, 47:463-469, 2005
- 妹尾栄一薬物乱用とドメスティック・バイオレンス 日本アルコール・薬物医学会雑誌 40:119-225,2005
- 妹尾栄一、森田展彰、高橋郁絵、信田さよ子ドメスティック・バイオレンス加害者プログラムの試み.トラウマスティック・ストレス,3:49-55,2005